老人看護専門看護師は現在の高齢化社会において、最も活躍が期待されている看護師です。
家族のケアを含めて、その仕事内容に注目してみました。
老人看護専門看護師に求められる連携力
高齢者に対し、卓越した知識とスキル、経験に基づき看護にあたれるのが老人看護専門看護師です。現在、ますます加速している高齢化社会の中で適切な処置を行える老人看護専門看護師需要は高まるばかり。
高齢者の多くが慢性疾患を抱えていますが、その症状は病気ごとに異なっていることがほとんどです。
嚥下障害や排泄障害なども年齢が高くなるほど顕著になってきます。
しかも高齢者に多い症状として、認知症は、現在滋賀県の高齢者の多くが患ってるとも言われるほど地域にとって大きな問題になっています。
老人看護は個々の症状や状態によって受けたい看護のニーズが違ってくるため、病気だけでなく健康管理や保健などのトータルケアをしていかなければならず、看護師には熟練した対応能力が求められることになります。
下記は日本看護系大学協議会の老人看護専門看護師の役割とその教育目標です。
- 老人の健康に関する事柄を、専門的な知識や理論に従って判断、評価ができる。
- 複雑な健康問題を持っている高齢者とその家族について、専門的な知識や理論に基づいて評価し問題の解決に向けて看護の援助が行える。
- 老人看護に関する専門的な知識や技術で、看護職に対する教育や相談にあたれる。
- 老人看護ケアがスムーズに行えるよう、保健医療福祉の間に入って調整ができる。
- 老人看護についての理論開発に貢献し、病院や施設での看護レベルを高めるため実践的な研究が
行える。 - 老人に対する医療や保健、福祉に関する政策を立案することと、運営や管理に参加できる
老人看護問題ではその家族にも、正しい認識と理解を持ってもらうことがとても大切です。
これを欠くと家族のメンタル面に問題が起きてしまうばかりか、高齢者との関係にも摩擦を生じかねません。
たびたび、老人看護がメディアで取りざたされているように、看護する側の精神的な負担は計り知れないものがあります。看護する側が身体的、精神的に参ってしまわないようにサポートするのも老人看護専門看護師の役目です。
特に寝たきりになると施設に入居することになりますが、残念ながら地域によっては施設の数が十分足りていない場合も見られます。
在宅看護でのオムツ交換や床ずれの防止や清拭など、お世話には家族だけでなく訪問看護の力も必要になります。
老人看護専門看護師も、勤務先が訪問看護ステーションなどであった場合は在宅看護とその看病をフォローしていくことになるでしょう。
看護師には、家族だけでなく、医師など多方面との連携力が何より求められます。